9月30日、京都都ホテルにおきまして、所属しています研究団体、全日本芸美会の理容学術会議が開催され、参加してきました。「理容を考える。変わる時代、守る文化」というテーマで、基調講演として、未生流笹岡家元、笹岡隆莆さんによる「いけばなが創る美と文化」。佐々木酒造代表取締役、佐々木晃さんによる「日本酒の持つ文化」という講演がありました。
「生け花とフラワーアートの違いは、デコラティブと、シンプル。フラワーアートが、花の最高の状態、美しさを楽しむものであるのに対し、生け花には、最高といえる時はなく、蕾のままに生け、葉の色の変化を楽しみ、時間の経過を見届けるところに美を見いだすということです。ゆえに、不完全、不安定、未完成を良しとし、実際に生に直接触れる芸術として、感謝を持って花を処分するところまでが大切です。」
といったお話で、実際に一点作品を創りながら、お顔を太陽の方に向ける。観賞者に対し真正面だと平面的で面白くない。左右のバランスは非対称に。余白が花を引き立たせるなど、ロジックを解説して下さいました。伝統文化ではあるけれども、伝統は革新の連続で作られるもので、別の要素を許すことが大切なんだというお考えでした。
洛中に唯一残る蔵元、佐々木酒造さんは俳優の佐々木蔵之介さんのご実家で、三男の弟さんが後を継いでおられます。秀吉の聚楽第の跡地に酒蔵があり、「聚楽第」というお酒が有名です。様々な研究機関や企業と連携して、商品開発を行っておられます。さらには日本酒の将来像、食文化まで幅広い見識を笑いを交えてお話し下さいました。
懇親パーティーでは、京都市長角川大作さんが登壇され、日本酒乾杯条例のお話や、ご自身の薄毛のお話、理容業の社会的に果たすべき役割などのお話があったり、先斗町の芸子さん、舞妓さんが華を添えて下さいました。
京都府芸美会の皆様のご尽力に感謝します。ありがとうございました。